第3回 自分の強みを見つける - キャリア・ポジショニング その2

どんな仕事が自分に向いているのか、あなたは理解していますか?自分のことなのに案外よくわからないものですよね。

でも、自分の適性、具体的に言えば「自分の強み」を早めに見極めることができれば、それだけ、他人とは異なる自分のとんがりを十分に磨くことができます。

このためにも、前回紹介した「ワーク・タスク・ディメンション」の考え方を理解するのはとても有効です。今回は、キャリア・ポジションの後編として、データ、アイディア、ひと、もの、の4つの次元は、具体的にどのような仕事

(職務・職種)に結びついているのか、詳しく解説します。

「ワーク・タスク・ディメンション」は、米国のACT社という非営利のテスト会社が、米国に存在する12,000の職種について分析を行った結果から導かれたものです。これは、あらゆる職業の基礎は、前回ご紹介した「データ」「アイディア」「ひと」「もの」の4つの分野から成立しているという理論です。

では、それぞれは、一体どのような職種が対応しているのでしょうか?以下を読んでみてください。

● データ 事実、記録、ファイル、数字、規則的な手順、商品やサービスに関する事 実やデータの記録、確認、伝達、整理などの、「データ的活動」。例えば、 購買係、会計係、航空管制官など。

● アイディア 抽象的概念、理論、知識、洞察、何かを新しい方法で表現すること。創作、 発見、解釈、抽象的な考えをまとめるなどの、「アイディア的活動」。 科学者や音楽家、哲学者など。

● ひと ひとを援助する、知識を伝える、奉仕する、説得する、もてなす、動機付 づける、指導するなどの、「対人的活動」。販売員や、教師、看護婦など。

● もの 機会、メカニズム、材料、道具、物理的プロセスや生物学的プロセス。生 産、輸送、整備、修理などの「対物的活動」。エンジニアなど。

なお、この4つの特性は、「データ」と「アイディア」、「ひと」と「もの」が、それぞれ対比的な特性をもっています。実際、アイディアがポンポン出る人は自分の感性が一番さ、とばかり、客観的な調査レポート等にはまるで関心を払わないものです(笑)。「データ」を扱うことと「アイディア」を扱うことの両方が得意な人はあまり数多くはいません。。また、「もの」を扱うことが得意なエンジニアは、「ひと」の扱いはあまり得意ではない傾向があるのではないでしょうか?

さて、この「ワーク・タスク・ディメンション」の4つの分野を組み合わせ、職業特性は、下記のように6つに分類することができます。この職業分類は、「キャリア・クラスター」と呼ばれ、それぞれの内容が似た職種がまとめられています。以下、ご自分の職業がどんな職種と近い特性があるのか見てみてください。(以下の区分は「キャリア・カウンセラー養成講座」日本マンパワーを参考としました)

▼ ソーシャル・サービス・・・
「ひと」に関わる分野 社会・行政サービス、教育、医療、保険、介護などに関わる職種

▼ 管理的ビジネス・・・
「ひと」と「データ」に関わる分野 マーケティング・販売、経営管理・企画などに関わる職種

▼ ルーティン的ビジネス・・・
「データ」と「もの」に関わる分野 金融取引、保管・輸送、OA機器操作などに関わる職種

▼ 技術・・・
「もの」に関わる分野 職種:エンジニアリング、建設・保守、農業、産業機械操作・修理など

▼ サイエンス・・・
「もの」と「アイディア」に関わる分野 自然科学・数学などに関わる職種

▼ 芸術 ・・・
「アイディア」と「ひと」に関わる分野 創造・舞台芸術、文学、社会科学などに関わる職種

「ワーク・タスク・ディメンション」で発見した特性と今あなたが就いている職種は合致しているでしょうか?上記分類によってわかった、自分に適している職種と現在就かれている職種が合致している人は、仕事の充実感が強いと思うのですが、いかがですか?

一方、日々仕事をしている中で、「どうもこの職種は私には向いていないのでは?」ということを感じている方は、この分類を見て発見されたことがあるのではないでしょうか?そういう場合は一度、頭を空にして、自分の特性にあった職種になることを想像してみてください。前からやりたかった仕事があるということはないでしょうか?

さて、ここまでで、あなたの「キャリアポジション」と「キャリアドメイン」が明確になったとしましょう。では、次のステップです。明確になった自分の強みを磨くためには、コミュニケーションのスキルが必要です。そこで、次の回では、上司や採用担当者に、自分の強みを効果的に伝えるテクニック、

「キャリア・コミュニケーション」のお話をしたいと思います。