第2回 自分がやりたいことを探る-キャリア・ドメイン

自分の会社は、そもそもどんな市場に向けて、どんな製品・サービスを提供しているのか、きちんと考えたことがありますか?あれこれ手を広げすぎて結構あいまいになっている会社もあるんじゃないでしょうか。

しかし、「キャリア」について考えてみると、こういった「ターゲットが不明確な会社」を笑えないものです。私達も、自分がやりたい領域をしっかりと認識しているとは必ずしも言えないと思うのです。それって、マーケティング的に言えば、ターゲット市場が不明確、ということと同じです。

さて、キャリアマーケティング第2回は「キャリアドメイン」のお話です。‘ドメイン’は、‘事業領域’、あるいは‘生存領域’のことです。企業の場合、その企業が事業を展開する一定の活動範囲のことを指します。一般には‘業界’と置き換えてもいいですね。例えば、金融、不動産、流通、マスコミ、貿易、運輸、通信、IT、など、世の中には多種多様の業界があります。

マーケティングにおいて、ドメインを明確化することは重要な意味を持っています。それはある特定の領域にフォーカスすることで、限られた経営資源を有効に用いて、その領域特有のノウハウ・経験を蓄積し、そのドメインにうまく適応していく必要があるからです。

同様に、自分のこだわり(好きなこと、やりたいこと)、言い換えると自分らしさが最大限に発揮できる「キャリアドメイン」を明確化することはとても大切です。なぜなら、その領域で自分を伸ばしていくために、自分自身が持っている資源(時間・お金など)をどのように使うべきなのかが、はっきりするからです。

読者の皆さんは、既に社会人であり、これまである業界の企業で働いてこられた方がほとんどだと思います。でも一度、今の勤め先の業界にとらわれず、ゼロベースで、自分のこだわりたいものは何か、について考えてみてください。それは過去の自分をじっくり振り返ることによって見えてくることが多いと思います。どんなことが好きだったか、あるいは、今でも鮮明に覚えている素晴らしい体験はどんなことか、何をやっている時が一番わくわくしたのか、どんなテーマで話していると時間を忘れるほど夢中になるのか・・・

こうして見つけたこだわりは、自分の原点ともいえるものです。そして、この原点をベースに自分のキャリアドメインを規定してみましょう。さて、この自分なりの切り口で明確化したキャリアドメインは、果たして現在の職場に合致しているでしょうか?皆さんの中には、趣味や遊びとかだったらいろいろと好きなことやこだわっていることがある、でも、仕事となるとよくわからないなあ、という方もいらっしゃると思います。でも、焦る必要はありません。若いうちから、仕事を通じて自分のやりたいことがわかっている方は少数派です。一般に、自分のキャリアドメインがある程度見えてくるまでには、なんと仕事を始めてからおよそ10年くらい必要だと言われているからです。いろんな職場や仕事を経験し、改めて振り返った時、はじめて「これこそが自分のキャリアドメインだ!」と言える程、「キャリアドメイン」の発見は難しいことなんです。

だから、20代~30代前半くらいまでの間は、様々な仕事に積極的にチャレンジし、自分にとってのキャリアドメインが何なのかを見極める期間と考えればいいのです。目先の収入や見栄や虚栄心に惑わされることなく、「自分のやりたいことって何だろう」、という真摯な思いを持ちつづけることで、自分のキャリアドメインを明確化できることだと思います。

キャリアドメイン、すなわちあなたがやりたい領域が明確になるということは、自分の軸足の置き所が決まるということです。これはキャリアを構築するうえでの土台が固まるようなものです。

さて、次回はドメインの中でどのようなスキルを伸ばすべきなのか?それを考える「キャリア・ポジション」のお話です。