第3回 自分の強みを見つける-キャリア・ポジショニング その1

現代は、どこを歩いても様々な製品であふれています。でも、「これ欲しい!」と思えるような魅力的な製品はなかなかないものですね。どれを取っても大して違いがあるようには見えないですから。逆に、魅力的な製品は、他社製品と異なる明確な特徴があります。とんがったところがあります。キャリアにおいても、どこか一箇所でもいいからとんがったところを持たないと、顧客(雇用主としての企業)になかなか選んでもらえないのが現実です。

さて、キャリアマーケティング第3回では、自分の強みを際立たせるとんがり(特徴)をどこに作るかについて、「ポジショニング」という視点でお話します。

マーケティングにおいて「ポジショニング」とは、他社製品が占めていない、つまり空きのある領域に自社製品の特徴を位置づけることを意味します。

例えば、私が新しい化粧品を開発しようとしているとします。そこで競合商品を「品質」と「価格」という2つの次元で製品を位置付けた場合、A社は、ブランド物を販売しており、「高品質・高価格」というポジションを占めているとします。一方、B社は、A社のコピー版を販売しており、「低品質・低価格」が特徴です。

ここで、私はどのようなどのようなポジションを狙ったらいいでしょうか?ひとつの答えは、「高品質・低価格」というポジションです。このポジションに位置づけることのできる製品を作れば、A社ともB社とも異なる特徴である、「高品質・低価格」を求める顧客を引き付けることができるわけです。

こうしたマーケットにおける位置付けを考え、独自の特徴を打ち出すことは、重要です。

では、この考え方をキャリアに当てはめてみるとどうなるでしょうか?

キャリアにおいても、自分の強みを活かせる明確なポジションを認識し、そのポジションを強化する知識・スキルを深めていくことが重要です。具体的には自分の得意な「業務領域」を定めるということです。前回お話した、

「キャリアドメイン」が自分のこだわりたい業界を定めるものであるのに対し、キャリアポジショニングでは、そのドメインの中で自分の得意なことを見つける・伸ばす、ということです。

もっと簡単に言うと、キャリア・ドメインは「どこで?」(エリア)を決めること、キャリア・ポジションは「そこで何をやる?」(仕事の内容)を決めることです。なお、実際に働く地点として、職場(勤務先)を探さなければならないのはもちろんです。(これはキャリア・チャネルの回でお話します。)

さて、自分の得意な(あるいは、得意になれそうな)「領域」は、どのように見つけたらいいでしょうか。今回は、ワーク・タスク・ディメンションと呼ばれる考え方を参考として、次の4つの次元で考えて見ましょう。あなたは以下の4つの軸だったら、どの軸が一番得意ですか?

 1.データ
 2.アイディア
 3.ひと
 4.もの

これまでの会社生活の様々な場面を思い出してみてください。あなたは、自分がどんな役割をやることが多かったでしょうか。例えば、グループの世話役をすることが多かった人は、「ひと」を扱うのが得意な方です。

販売、企画、製造、管理などと分類できる業務というものは、実は、上記の4つのどれか一つ、あるいは複数を扱う仕事に整理できます。製造業務であれば、製品等の「もの」を扱います。企画業務であれば主に「アイディア」(企画そのもの)や「データ」(調査結果など)を扱います。

こうして、「データ」「アイディア」「ひと」「もの」の4つの次元の中で自分の得意なポジションを定めましょう。つまり、自分のとんがりをどこに置くかを明確にするのです。

後編では、ワーク・タスク・ディメンションで把握した、自分の仕事に対する志向性をベースに「具体的には、どのような職務を目指したらいいのか」について、詳しくお話します。